ながら練習のすすめ
- 郁代 麓
- 6月7日
- 読了時間: 7分
現在56才。二胡を弾きながら体が思った通りに動かない近頃。
いい練習方法を発見!
That's「ながら練習!」
脳内イメージは、かつてスラスラとピアノの上で動いていたような指。
しかしながら・・
カクカクしたり、突っ張ってみたり、曲げろと思っても曲がらないとかとか。
私の意思に反した動きをする体。
老化現象とやらには、まだまだ抵抗したい。
二胡を弾いていて、体が思った通りに自由自在に動かせたらなあと思うのですよ。
意識しなくても動くレベル。
歩くとか、息を吸うとかのように考えなくても動く!
って、息をするレベルで二胡が弾けたら・・それはもう昇天レベルなんだけど(笑
でも、そうなれたら幸せだなぁ〜〜って思うわけです。
なりたいな〜 どうしたら出来るようになるかな〜と。
そうなるにはですね、はい!
出来るまで同じことをやり続ければいいだけ!それだけなんだけど
だけって言ってもね、根気も体もそれがなかなかうまくいかんもんです。
色々な指南書を見ると、身に着けるための手順があります。
まず、その正しいやり方がわかること。
最初に頭を使ってよーーーーく理解をする。
手に入れたい技術を一つになるまで小さく分解して(合わせ技はまた次の段階)
ちょ〜〜〜〜〜スローモションでいいので、正しい動きが、理想の動きがイメージできて動けること。
お手本があるのなら、お手本の動画などを超スローにして完コピです。
まあ、完コピならずとも、ゆっくりならなんとなく動けるようになるものです。
これは出来るようになる手順です。
こんな練習ならなんとなくしているじゃないかと思うんですよ。
ただ、いざっ!実践となると、あれれっ?ってなって使えない😭
next step 身に着ける練習です。
私の編み出した練習方法があります。(そんな偉そうなもんでもないですが・・)
That's「ながら練習!」
最初に、しっかりと頭で理解してゆっくりでも動けるようになったら、
次は、頭を使わずに体を動かす。
その動きを必要な力だけで、しっかり脱力して繰り返し反復する。
パフォーマスを邪魔するものは力み。
何をするにせよ、よく「リラックスして〜〜」とか言われますが
できるなら、してるよって話で、力というのは意志と反して入ってしまうものです。
リラックスって意識的にするのは難しいなあと思います。
だから、瞑想がいいですみたいに言われるのでしょうが。
なので、リラックスしている状態の時に、この反復練習をするんです。
力みって、要は真面目に集中しすぎているんだと思います。
意識を半分他のことに逸らしながら体を動かすトレーニング。
そこでながら練習です。
ながらに最適なのが、テレビを見ながらです。(笑
好きなドラマ、youtubeを見ながら、ながら反復練習をしています。
たとえば8小節ほどの難しいパッセージがあるとしましょう。
指を均一に動かしたいけど、コントロールしずらい3指(薬指)は早い動きをしがちです。そんな時にリズム練習を取り入れながらゆっくり指を均一に動かせる練習をしましょう!
私もそんな指導をします。
大人になって始めたなら尚、動きずらい指です。これには根気がすごくいる。今まで動かしていない部分を動かすのでトレーニングが欠かせません。
これは、正しく動かし続けるしかありません。
真面目に取り組みすぎると力が入るだけで、あ〜〜動かん!とストレスになるばかりか、練習に飽きがきて、続かなくなる。
ある程度の脱力という状態を、他に環境に意識を分けることで作り出します。
難しい作業は向いていません。娯楽テレビを見るというのはある意味トランス状態です。
テレビって見ていても、周りの音もキャッチできるでしょ?
そんな状態で反復練習をします。
反復の量は、2小節くらいで。1(小節目)&2→2&3→3&4といったように、少しずつゆっくりすすめ、だんだんテンポを上げていく。
ビブラートの動き、トリルの動き、つっかえる指遣い
ゆっくりの反復に我慢しきれず、速く弾き始めてしまうのはよくあることです。結局精度が上がらないまま弾き続ける、これは上手い人と下手な人の決定的な違いになります。
そして、もう一つ大事なのは毎日やることです。歯磨きと同じレベルで毎日。
なのでながら練習なんです。
youtubeばかり見ていると罪悪感的なものを私は感じてしまいますが、一日一回くらいはyoutubeやテレビって見ませんか?
私はこの時ばかりは一挙両得!ドラマに掛け合わせたなら、次の練習が待ち遠しくなってしまいます(笑。
根気をつなげるモチベーションにもなる。
強制的に体を動かすことで、頭って動き出すんです。
ただ運動として体を動かすだけで、頭の中は猛烈に働き出します。
それを確信した事象を紹介します。
2020年、娘が病気で脳の血管バイパス手術を受けました。その時残念なことに合併症で左脳に脳出血を起こしました。右半身の運動機能が止まり、言語機能も止まりました。
私は毎日病院に通いながら、日々の彼女の変化を観察していました。
付き添っているときは、私もリハビリのお手伝いを!と思い、方眼ノートに好きな歌の歌詞をお手本として書き、それを横に写し書きさせるという。
右手がちゃんと動かせないので、動かす練習!と思ってやってみたのですが
一センチ四方枠の中に字を収めることができません。見本をまねることが出来ないのです。
手を動かす運動機能も、集中するという作業も容易ではありません。
脳に損傷を負った訳ですから、急がず焦らずと思いつつも・・・
ナースが、フィジカルのリハビリの時間ですと呼びにきたので、彼女は病室からトレーニングルームへ出かけていきました。
20分ほどで戻ってきました。
「何してきたの?」「自転車漕いだだけだよ。」
先ほどの続きを始めると、さっき出来なかったことが出来ている。
ますの中に、ちゃんと文字が収められている!
方眼ノートの中にお手本の文字を写すというのは、運動だけではない知的作業です。運動と表現が組み合わさったもの。
「えっ??? できるね」 「うんできるねぇ!」
体を動かすとね、頭が動き出すのを感じると、彼女は言いました。
体からのフィードバックが脳にいくということ。
単純に体を動かすということが、脳を動かすということを2人で発見・体感した日でした。
なので、クソ真面目に集中して練習に取り組む必要はなく(もちろん集中して練習するところもあります)、シンプルな基本動作を反復していく、脳にそれは刻まれていく。体を動かすということが必要なんだと思っています。
繰り返しますが、必要な力だけで、脱力しながらの反復です。
これが力を抜く練習にもつながると思っています。
これは、楽器に限ったことではなく、体を動かせば脳が動く。
日々の生活でもとても大切なことです。認知予防にもつながります。
クリエイティブなアイデアが欲しければ、軽く体を動かせばいいんです。これは少しだけ負荷を上げると効果的です。早歩きや、軽いランニング、少しアップダウンのあるハイキングだったり。ただ歩くというのは負荷が軽すぎて余計なことが沢山考えられます。少しだけちょっと辛いな〜〜くらいの負荷に上げると呼吸が大きくなりトランス状態に入ります。そうすると頭の中に生まれた空白にアイデアが流れ込む。
43才から始めた二胡という弦楽器。
弦楽器は子供の頃からの憧れであったことを思い出したのがこの年だった。
やはり、子供の頃に体に入れた情報とは違い、そんなにスイスイと体が吸い取ってはいかない。年齢には抗いようもなく。
覚えられないと言っているのではなく、時間がかかるだけ。だけなのよ。
何かが出来る様になるのにとにかく時間がかかる。これは受け入れるのみ。
しかしながら!何かポンコツ感を感じる年代物の身体を愛おしくも思うのであります。
華麗にやってのける青少年たちを横目に・・
緊張感やら、カッコ悪さやら、ズッコケ感、言い訳を上手に並べ立て、
あれやこれやと、考えながら大人のお稽古事は、順調に進んでいきます。
無意識の領域での習慣化ができたなら
もう楽器と自分は一体です。
馬上において、人馬一体というではありませんか。
馬と過ごす時間、人と馬が一緒に同じことをするには、思いが一緒でなくては動けません。
楽器とて、馬のように意志があるなと思う時がよくあります。
馬も楽器も力ずくでは一体となれない。
時間や練習方法というプロセスは、どうしても必要。
この先の時間を考えると、こうしたながら練習のすすめなどという悪知恵が働いてしまうのは、致し方ありまシェン。
ぜひ、根気よくトライしてみてください。
ある逆上がりができた!という時のような喜びはやってこないのですが、
あれ?いつ出来るようにんなったんだろう?
という時は必ずやってきます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。

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