二胡のコンサートを終えて
- 郁代 麓
- 4月30日
- 読了時間: 6分
2025年3/8 二胡のコンサート「祈りへの旅」を終えて
ようやく振り返る気持ちになっています。改めて素晴らしい時間であったと思えています。

ライブはちょこちょこやってはいますが、自分の企画でしっかり人を集めるのは、2022年11月に東中野で開催したコンサート以来です。
私的に、このようなスタイルのコンサートを開催するには、演奏もエネルギーも気力も貯める時間が必要なので、2年に一回という位が丁度いい感じなのかな。
会場も大きくなり
集客も倍になり
演奏曲の難度も上がり
企画の内容に携わる人の数も協力者も増えた。
改めて人は幾つになっても成長できるものだと実感しています。
自分が弾くことに精一杯だった今まで。
聞いて頂く方々に「届く音楽」というものを考えられるようになりました。
クラシックが好き、二胡が好きという人でなければ、インストを長い時間聴くのは少々飽きてしまうというのはあるあるです。
知らない中国曲をどのようにしたら興味を持って聞いていただけるだろうか
仏画という世界をどのように見せたら楽しんでもらえるだろうか
二胡という楽器に似合う曲、こんな曲も弾けるの⁈的な意外性を感じる曲はなんだろう
MCの配分だったり、曲数だったり、どんな風に弾こうかとか。
そして、何よりも私が好きで楽しめる曲でなきゃ。
現場のひらめきも素敵なんだけど
日々閃いたことを、練って考えて作り上げるのが好き。断片的なアイデアでも、頭に投げかけておくと無意識の中で検索が始まる。
ある時、「あっ!!」とまとまる。投げかけたことは必ず答えが出る。
そのプロセスがとにかく楽しくて好き♡
だから、自分の頭の中は常に止まることなく何か考え事をしています。
今回のコンサートの振返りのチャートとか書いてみました。
こういうことしちゃうのが私らしいというか・・なんというか・・(笑

演奏力以外のことはかなりのレベルで私できるじゃん!!
いやっ、演奏力が一番肝心じゃんって 話ですが
ここばかりは、時間が必要でね〜〜力技では乗り越えられない。
でもね、できなかった所、失敗したところ、力不足なところ、乗りこなせる希望を未来の自分に持てている。
数年前なら、できる姿が見えなかった。
今はね、やり続けたそのさきにできる自分の姿が見えています。
よくね、理想が高いって言われます。
だって、最高の姿こそが一番魅力的じゃあないですか✨
これを見続けている限り、顔を上げていられるわけです。来世になっちゃう可能性もありそうだけどね(笑
今の自分と理想を結ぶ線の上には、当然沢山のチェックポイントを設ける。手段、方法が必要。モチベーションって、そんなに長く保てるものでもないから。
急ぐことも焦ることもなく、そこへ向かっていくことだけは決心する。
今回のコンサートで、第三部に「夢」というテーマを設けました。
数年前からずっと弾きたかった曲『楚颂』(チュウソン)
これを演目に入れるか否か・・・フライヤー作りながら悶絶独り言。
「どうしよっかなあ〜〜
ここに書いたら弾けませんでしたというわけにはいかなし・・・
え〜〜本当に弾ける?大丈夫?できるの?
うあ〜〜本当にできるのか私・・・
チラシに書いたらやるんだよ⁈ いい?いいのぉ?いいね?本当にいいんだね?」
・・・ポチっ
核の発射ボタンを押すかのような気持ちで、印刷発注のボタンを押した記憶が蘇ります(笑
ここでもう後戻りはできなくなりました。
やる!と後戻りできなくなった時、人は死に物狂いでやれる。
ってか、こんなに必死にやったの人生で初めてかもしれないわ(笑。
練習量が増えると、楽器もどんどん音が大きくなっていく。
自宅での練習も限界かな〜〜、音を遠慮して練習するのも嫌なので、3時間カラオケに日課のように通っていました。この3時間の集中はなかなかのもで、休憩なしであっという間に終わりのベルがなる。
3年前に『楚颂」に取り組んだ時は、技術力が追いついていなく全く手も足も出なかった。
翌年、また引っ張り出してみる、少しは進むが形にはならなかった。
昨年、また引っ張り出してみる、あれっ?あれ?私弾けるかも!と思った。
テンポも40~50%でようやくな感じで上げられる気が全くしなかったのが、60,70と少しづつ上がっていく。
ようやく80位まで上がる、本番前にさらにぐっと上げられた。
一つの曲に向き合っていると、その進捗を感じとることができる。
これは、色々な中国古典曲を練習してきたおかげなのだと思う。
二胡という中国の楽器の技術力・表現力を上げるには中国曲は避けて通れないのだと実感する。
ポップスなどでは、使うことのないテクニックだったりもするけど、体幹や基礎体力的なものが培われる。それがどんな曲にも活かされていくのがわかるわかる。
弓の使い方の幅も広がり、運指も良い音色が出る押さえ方を掴み始めた。
この曲に取り組むにあたり、一つ大きなサポートがありました。
伴奏音源を作ってもらえたこと。
心弦二胡教室時代の講師の仲間であった三浦真美先生はピアニストでもあり、作成を依頼したら快く引き受けてくださった。
伴奏自体がオーケストラのような曲で、激しく変拍子が続く所もあれば、揺れるところインテンポで弾きあげる所もあり、全てリクエストに応えてくださった。
これを音源として作るのはなかなかな作業であったと思います。
バラバラに練習していたパートが、作品としてまとまっていくのに伴奏はやはり大きな一助となります。
この音源が出来上がって、どんどん演奏力も上がっていったのは確かなのです。
私の夢が近づいた大きな分岐点です。
真美先生には、心から感謝しています。
私の『楚颂』は始まったばかり。
できないことがまだ沢山ある。
これからもっともっと自分の体の一部になるほど弾いていきたい。
「夢」というチャレンジ
お客様からも嬉しいフィードバックをいただきました。
自分も何かにチャレンジしたくなった、改めて夢というものを考えてみようと思った、沢山の勇気をもらえた
目の前にいる人に、何かしら伝わるものがあったのなら、それだけで幸せです。
小田輝子さんの作品に導かれた今回のコンサート。
この世に体が存在していなくてもその人の魂、教え、生き様、心は生き続けるもの
そんな一つ一つを自分に取り入れて、またさらに音を育てるべく、精進して参りたいと思います。
仏画の紹介と、コンサートの一部を動画に少しまとめてみました。
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